0・9倍速の能力しかない人でも、日本では「英会話のうまい人」と考えられがちですが、実はこの状態で長年停滞して苦労している人々が多いのです。そして自分では、なぜ停滞しているのか、原因を自覚できず、自信を失っています。ところが英語を理解できるスピードが1・1倍速になると、この状態は劇的に改善されます。自分でもリスニングができるようになったと実感できます。さらに1・5倍速程度になると、リスニングはもう余裕になります。1・5倍速程度になると、聞き落とした単語や音があっても、時間的な余裕があるので頭の中で振り返って補えますし、意味の取り違えを修正することも可能です。また、流れてくる単語の音にしたがって、“次はこういう種類の単語や音が流れてくるはず”という予測が可能にもなります。ところが中学高校の英語学習では、スピードがほとんど鍛えられません。リスニングも非常にゆっくりした、0・2倍速〜0・5倍速の発音で出題されるのみで、それが聞き取れ九段階でみな満足してしまうようです。近年、一部の大学入試などではリスニングカを重視した問題なども現われてはいますが、それでも0・8倍速で英語を理解できれば全問正解できると思われるレベルです。このように、学生時代にスピードに着目したことが無いので、社会人になっても英語を理解するスピードを上げるという重要な訓練がまったく見落とされたままでいます。