大袈裟に言えば太古以来のことであろう。高度経済成長期に「一世代一住宅」という掛け声があったのは、戦後の家出型若者独立の気運を受けての一時的現象だったのであろう。家出して親との縁を切ったつもりの若者が結婚して家を建てるのだから、「一世代一住宅」は当然、核家族ということになる。かくして家づくりの主流は核家族を原則とすることに定まった。中古住宅再生がもし主流になるとすれば、この原則は変わるのか変わらないのか。日本人は伝統を重んずるが意外に新し物好きでもある。特に戦後のこの家出組にはこの性格が顕著にみられた。親と縁を切ったつもりでいるのだから、「過去とは断絶して新しい物を創造する」と断言する。なんとも恰好いいではないか。この改革的変化が戦後導入された民主化の賜物だったことは明らかだ。それまでの「家」の束縛下にあった若者の人間解放宣言でもあった。これがそれ以後の日本人の家族関係を取り仕切る原則になったのは、確かに封建制からの脱却という革命的な内容を結実させた功績として大いに評価してよい。