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2世代が住む大家族の家

核家族への反動からか、大家族のよさが見なおされ、2世代住宅が普及しはじめたのは15年くらい前のことでした。「スープのさめない距離」に、複雑だが豊かな人間関係を築くというのが大義名分ですが、2世代同居の最大の理由は経済性にあったようです。親の土地に家を建て、孫の世話もついでにみてもらおうと考える、ちゃっかり派の子世代。土地を提供したのだから、老後の世話は当然という親世代。こうした自分の都合だけで同居したため、うまくいかないケースがふえています。みんなでワイワイ暮らしたほうが楽しい、という考え方が基本にあって、おたがいが独立しながら接点をもとう、というスタイルが確立していないと、うまくいくものではありません。大家族の家を設計するにあたって、私は、そこに住むことになる家族の一人ひとりに単独で意見を聞くようにしています。土地を提供した人や頭金を出した人と、そうでない人とのあいだに力関係が生じます。全員がいっしょの場で意見を聞くと、遠慮して発言しない人がかならずいます。それはお年寄りであったり、お嫁さんであったり……。設計家は、一人ひとりから話を聞き、みんなの意見を整理し、調整します。家族間ではいえなくても、設計家にはいえることもあります。

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