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暗記する楽しみを持てなかった人は脱落者

なぜ、新しいことばを習うのに、これほどの時間とエネルギーをかけても、ものにならないのでしょうか。原因の一つは、教える側の先生が自ら大変苦労した学習法を、同じように生徒に押しつけてきたことにもあるのではないでしょうか。動詞の活用形だの時制だの仮定法だの、面倒でおもしろくもない文法の規則から外国語の手ほどきを受けることほど不幸なことはありません。難しい、ややこしい、どうも苦手だというようなこの時点で抱く印象は、残念なことに一生つきまとってしまうことになりがちです。私たちの中学、高校時代は、大げさにいえば文法書や辞書がボロボロになってしまうまで知識を詰め込むことに必死でした。一生目にすることもないような単語や死語すら覚え、日常生活では使うこともない難しい文法や文語体を頭にたたき込み、いかに他人を追い抜き、受験に合格するかという勉強法に全エネルギーを費やしていました。有名高校、有名大学に入るには辞書を一冊丸ごと覚えなくてはならない時代ともいえました。集中力や記憶力に弱い人、というよりも暗記する楽しみを持てなかった人は脱落者でした。