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「デキる自分」を見つけて解消する

うつ病に関しては、「気分がうつ状態になるから、物事を悲観的に見る(認知するようになる)」と考えられてきた。ところが、逆の発想で、「物事を悲観的に見る(認知する)から、気分がうつになってしまう」いう考え方が出てきた。ニワトリとタマゴの話ではないが、「うつ状態(気分)が先か、悲観的に見ること(認知)が先か」という議論になってきたのである。どっちが先かどうか、たぶん証明はできないだろう。しかし、うつ病の「認知療法」は、「認知がゆがむから病気になる」という立場に立っている。実際、患者の「認知のゆがみ」がとれてくると、症状もよくなってくるのだ。これと同じ立場で、「認知行動療法」という治療もさかんに行われている。ふつう、うつ病の患者には、「がんばりましょう」とか「もっとしっかりしましょう」などと励ましてはいけないとされている。がんばれと励まされても、認知がゆがんでいるために、そのまま受け入れられず、逆にもっと罪悪感がひどくなってしまうのである。そこで、とにかく患者を動かす。できないと思い込んでいることでも、実際はできるということを、患者自身の現実の体験として理解させるのである。たとえば、「私は、もう何も食べられません」「人込みの中に入れません」という患者に、実際に少しずつ食べさせたり、少しずつ外に連れ出したりしてやる。実際に動いてみて、すこしでもできるとわかったとき、「認知のゆがみ」もとれてきて、症状もよくなっていくわけである。