一般に、女性に比べ、男性は伝統的な規範を未だ大きく引きずっているといわれる。学校を出たら、就職し、地道にお金を稼いで家族を養う。多くがそう考え、実際、そうしたルートに乗って生活している。そもそも、衣服とは社会的立場の象徴でもある。社会的な役割や性別、年齢、地位、職業、身分などを示すインデックスのようなものだ。今でも、「○○らしい服装」といったいい方はよくされる。その人物に見合った外見が決まっていて、そこからはみ出すと批判の対象になる。女性に関して、こうした縛りは緩やかになってきているように思われる。一方、男性の服装は先の役割規範に基づいてかなり定番化している。仕事着は暗い色のスーツと白いシャツにネクタイ。若い頃はそれでも私服に凝るが、年齢が高くなるに従い、オフの日はもっぱらジャージ姿など楽な服装が増えてくる傾向にある。個性よりもむしろ役割によって服装は決まっているようだ。こうした中でも、男性層の3分の1を占める人たちは、下着にも生活にも、自分なりのこだわりを持っている。彼らは、決められた社会的な型から脱皮しようとする先駆的な立場にいるのかもしれない。下着は表に出ない分、社会的な制約を受けずに済むという利点がある。以前、こうした男性たちに集まってもらいグループインタビューを行ったが、その場での「下着にこだわっている人は、例外なくオシャレです」という発言は印象的だった。生き方への自由なこだわりは、下着から始まるのかもしれない。そうした意味で、今後、この3分の1という数字が増えてくるのかどうか、社会学的な視点からも、一つの興味深い問題である。
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